医療コラム

「デイケアって、高齢者の施設？」「精神科のデイケアって何をするの？」
そんな疑問をお持ちの方も多いかもしれません。
実は、精神科のデイケアはこころの病と向き合う方が、より良い日常生活を送るために利用するリハビリの場です。

今回は、精神科デイケアについて、初めての方にもわかりやすくご紹介します。

精神科デイケアとは、通院しながら日中の一定時間を施設で過ごす治療プログラムのことです。
精神科医、看護師、作業療法士、臨床心理士、精神保健福祉士など、専門スタッフがチームで関わり、回復や再発予防、生活リズムの安定を目指します。

対象となるのは、たとえばこんな方です

• うつ病や統合失調症などで休職・休学中の方
• 社会復帰に向けてリズムを整えたい方
• 引きこもりがちで外に出るきっかけが欲しい方
• 同じような悩みを持つ人と話してみたい方

デイケアでは、心と体のリハビリになるような、さまざまなプログラムを行っています。

例としては

• 軽い運動（ストレッチ、ウォーキングなど）
• 創作活動（絵画、手芸、書道など）
• 料理教室やレクリエーション
• グループワークや認知行動療法
• 就労支援プログラム（ビジネスマナーやPC練習など）

プログラムは無理なく参加できるものからスタートできます。
「できることから、少しずつ」が合言葉です。

精神科デイケアに通うことで、こんな変化や効果が期待できます

• 生活リズムが整う
• 人と話す習慣がつく
• 自分の強みや課題が見えてくる
• 再発や再入院の予防につながる
• 社会復帰（仕事・学校）への準備ができる

同じような体験をしてきた仲間がいることで、孤独感が和らぎ、安心して過ごせる居場所になることも多いです。

1. 主治医との相談・紹介
2. 見学・体験参加
3. 利用計画の作成
4. 保険証での利用（医療保険適用）

費用は医療保険の対象です。自立支援医療制度を利用すれば、自己負担は1割に軽減されることもあります。詳しくは医療相談員にご相談ください。

いきなり利用するのはハードルが高い…という方も大丈夫です。
当院のデイケアでは、随時見学・体験を受け付けています。
プログラムの雰囲気を実際に見て、無理なく参加できるかどうかを確かめていただけます。

こころの病と向き合うことは、決して一人で頑張る必要はありません。
「今の自分にできること」から一歩ずつ踏み出すサポートとして、デイケアはとても心強い選択肢です。

「最近少し元気が出ない」「家にいる時間が長くなった」――そんなときは、どうぞ気軽に見学にいらしてください。
スタッフ一同、あたたかくお迎えいたします。

八尾こころのホスピタル　精神科デイケア