精神科専門医療

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うつ病とは

うつ病は気分障害の一つです。一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといった精神症状とともに、眠れない、食欲がない、疲れやすいといった身体症状が現れ、日常生活に大きな支障が生じている場合、うつ病の可能性があります。気分障害には、うつ病の他に、うつ病との鑑別が必要な双極性障害(躁うつ病)などがあります。うつ病ではうつ状態だけがみられますが、双極性障害はうつ状態と躁状態(軽躁状態)を繰り返す病気です。うつ病と双極性障害とでは治療法が大きく異なりますので専門家による判断が必要です。

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当院の専門医療

mECT(修正型電気けいれん療法)

ECTとは?

ECTとは、Electro Convulsive Therapy の略称で、日本語では「電気けいれん療法」と呼ばれています。1934年に開発された治療法で、うつ病・躁病・統合失調症などの精神疾患に対して古くから行われてきました。近年は重症うつ病・難治性うつ病・緊張病状態などに対して特に有効であることが明らかになっており、欧米諸国・日本で広く実施されています。
現在では、麻酔下で治療による苦痛をのぞき、また、筋弛緩作用のある薬を使用してけいれんに伴う副作用を予防しながら行う「修正型電気けいれん療法(mECT)」が一般的であり、当院におきましても「修正型電気けいれん療法」を行っています。

mECTの適応

  • 重症うつ病
  • 難治性うつ病
  • 統合失調症緊張病状態

特にうつ病に対して最も効果があるといわれており、抗うつ薬で治療がうまくいかなかった場合でもECTは有効であるといわれています。

安全性について

mECTの死亡例は低く、8~10万治療回数に1回とされています。これは、通常手術の全身麻酔の危険率や抗うつ薬服用中の死亡率より低いとされています。事前の検査、診察を行い、安全には最大限の配慮を行っています。
一般的な副作用として、頭痛、発熱、治療後覚醒するときにもうろう状態となることがありますが、通常は一時的です。

治療の流れ

  • 主治医からの説明

    治療についての説明を行い、同意書へご署名をお願いします。

  • 検査

    血液検査・心電図・頭部CTなど必要な事前検査を行います。
    治療前は絶飲食となります。

  • 施術

    点滴を行い治療室へ入ります。
    麻酔薬と筋弛緩剤を投与し眠っていただき、全身麻酔の状態で頭皮上より数秒間の通電を行います。

  • 施術後

    麻酔から覚めた後、しばらく安静にしていただき、状態を確認します。
    通常、治療は開始から終了までおよそ30分程度です。

受診希望の方へ

治療を受けたい、詳しい説明を受けたいとお考えの方は、 お電話にてお問い合わせください。

電話番号 0120-988-998(初診相談専用フリーダイヤル)
相談受付 9:30~16:30 (休診日は除く)

rTMS治療(反復経頭蓋磁器刺激治療)

rTMS治療とは?

rTMS治療とは、反復経頭蓋磁器刺激治療のことで、既存の抗うつ薬による十分な薬物療法によっても期待される治療効果が認められないうつ病に適応がある治療法です。欧米では広く用いられていますが、日本では2019年6月に保険適用となった比較的新しい治療法で、磁気エネルギーを使って、脳本来の機能が低下している部位には興奮性の刺激を送り、過活動になっている部位には抑制性の刺激を送り、本来の機能が不十分になっている脳の部位の調子を整え、うつ病の症状の改善を目指します。

rTMS治療の適応となる方

  • 中等度以上のうつ病の方
  • 抗うつ薬に適切な薬物療法で十分な改善が得られない方
  • 18歳以上の方

rTMS治療効果

抗うつ薬治療に反応しない約3割のうつ病の患者さんのうち、3~4割がrTMS治療に反応すると言われています。

治療期間

1日約40分を週に5日、3週間~6週間継続します。

受診希望の方へ

当院のrTMS治療は保険診療です。
治療を受けたい、詳しい説明を受けたいとお考えの方は、 お電話にてお問い合わせください。

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認知行動療法

認知行動療法とは?

認知行動療法とは、Cognitive Behavior Therapyのことで、略して「CBT」とも呼ばれています。認知行動療法は、うつ病など様々な心の病を持つ方に対して、その方の「認知」と「行動」の面に働きかけて、こころのストレスを軽くしていく心理療法です。うつ病などの精神医学的問題に対する有効性が医学的に立証されています。

認知とは?

認知行動療法で言う「認知」とは、物事に対する私たちの考え方や見方、出来事の受け取り方のことを言います。認知は人それぞれ違うもので、例えば人から良い面を褒められたとき「今までの努力が評価された」と考える方もいれば、「どうせ今だけだ。明日はきっと怒られるに違いない」と考える方もいるでしょう。どちらの考えが正しい、ということはありませんが、人によってはある考えが過度に偏ってしまい、出来事があると自動的にその「考えのクセ」が出てきてしまう場合があります。うつ病の患者様などでは、出来事に反応して、否定的な考え方がとっさに、何度も繰り返して出てくることで、気分の落ち込みを招きやすいことが分かっています。

考え方のクセが働く仕組み

仕事中に同僚とすれ違う時があったとします。いつもは笑顔で「やあ」と挨拶してくれる同僚が、今回はまるで無視するように足早に去っていってしまいました(状況)。その時、頭の中にとっさに「この間の私の失敗をまだ怒っているんだ」と浮かんできたとします(認知)。そう考えるととても不安になり(気分)、なんとか同僚に謝らなくてはと、心臓がドキドキしてきます(身体)。なんだか仕事も手につかず、ボーとしてまた失敗をしてしまいました(行動)。

このように、ある出来事や状況に対して、とっさに浮かぶ考えのクセ(認知)が、その後の気分や身体の感覚、行動面にも影響を与えています。
認知行動療法では、患者様のさまざまな体験をこのようなモデルに当てはめて検討してくことで、その人の考え方のクセに気づく練習をしていきます。

認知行動療法の面接

原則として50分間の面接を1週または2週に1回行います。

認知行動療法の基本的な流れ

  1. 認知行動療法の説明を受けます。うつ病などの病気を引き起こす考え方のクセや行動のパターンなどについて理解していきます。
  2. 日常生活のエピソードについて話し合いながら、考え方のクセが自分の感情や行動にどのような影響を及ぼすのか、一緒に調べていきます。
  3. その時の状況に合わせた、バランスの良い考え方や行動が出来るかどうか、いくつかの技法を用いながら練習をしていきます。
  4. 面接がない間は宿題(ホームワーク)があり、面接の中で話し合った考え方や行動が出来るかどうか、日常生活の中でも練習をしていきます。
  5. 同時にこころが軽くなるような活動を少しずつ増やしていきます。
  6. 上手く取り組めるようになったら、対人関係のストレスを減らす練習や、目の前の問題を上手に解決する練習についても取り組んでいきます。
  7. 最終的には、バランスのよい考えや行動を自分で選択できるようになり、必要以上に落ち込んだり不安を感じたりせずに、活動していくことを目指します。

受診希望の方へ

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光トポグラフィー検査

光トポグラフィー検査とは?

こころの病気は、脳の働きと関係しています。脳の働きが不調になると、脳の血液の流れにも変化があらわれます。光トポグラフィー検査は、うつ状態の時の脳の血液の流れを調べる検査であり、脳の機能を波形で表示することで、健常、うつ病、躁うつ病、統合失調症の異なるパターンを見分けます(7-8割の精度)。その結果を参考に鑑別診断や治療の補助に役立てます。

光トポグラフィー検査の流れ

光トポグラフィー検査では、うつ状態を評価する心理検査、および器質的疾患の除外のための頭部CT検査を同時に行います。

  • 心理検査

    うつ状態を評価します。

  • 頭部CT検査

    精神的症状の原因として、器質的疾患を除外するために頭部CT検査を行います。

  • 光トポグラフィー検査

光トポグラフィー検査の概要

頭に専用の帽子をかぶり、指示に従い簡単な課題を行ってもらいます。
検査時間は約3分で、準備を含めて10-20分です。

受診希望の方へ

検査を受けたい、詳しい説明を受けたいとお考えの方は、 お電話にてお問い合わせください。

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統合失調症とは

統合失調症は、脳の様々な働きをまとめることが難しくなるために、幻覚や妄想などの症状が起こる病気です。ほかの慢性の病気と同じように長い経過をたどりやすいですが、新しい薬や治療法の開発が進んだことにより、多くの患者さんが長期的な回復を期待できるようになっています。

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当院の専門医療

クロザリル(一般名:クロザピン)治療

クロザリル(一般名:クロザピン)は治療抵抗性統合失調症の「切り札」

患者さまによっては数種類の薬をきちんと飲んでいても統合失調症の症状が十分には良くならないことがあります。このような状態を「治療抵抗性統合失調症」といい、全ての統合失調症患者さまの約3割にあたるとされています。クロザリルはこのような患者さまに対して、効果があることが世界で唯一認められた薬であり、すでに世界の97ヵ国(2008年現在)で使用されています。

クロザリルは「治療抵抗性統合失調症」に対して日本ではじめて承認された薬であり、決められた基準を満たした病院・医師でないと処方できないようになっています。

気をつけたい副作用の早期発見・早期対応および
きめ細かい医療サービスの提供のために

  1. CPMS(クロザリル患者モニタリングサービス)に登録し、定期的に血液検査を行います
    まれに起こる無顆粒球症、好中球減少症を定期的な検査で早期発見します。
    また、無顆粒球症を発症した場合でも奈良県立医科大学血液内科との連携により
    迅速な対応ができる体制を整えています。
  2. 治療開始後、原則18週間は入院対応します。
    当院では、入院中のクロザリル服用患者さまに対しては、医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師、臨床心理士、精神保健福祉士のそれぞれが担当となり、チーム医療を実践し、きめ細かい治療を行っています。

受診希望の方へ

クロザピンを使ってみたい、詳しい説明を受けたいとお考えの方は、 お電話にてお問い合わせください。

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LAI(持続性抗精神病注射)

LAIとは?

LAIとは、Long-Acting Injectionの略称で、持続性注射剤のことです。統合失調症の治療では、症状の安定や再燃予防のために薬物治療は欠かせませんが、毎日、服薬をきちんと継続していくことは大変です。すべての薬ではありませんが、投薬内容によっては、2週間、4週間、12週間に1回の筋肉注射により服薬を減らしたり、なくしたりすることが可能な場合があります。

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mECT(修正型電気けいれん療法)

ECTとは?

ECTとは、Electro Convulsive Therapy の略称で、日本語では「電気けいれん療法」と呼ばれています。1934年に開発された治療法で、うつ病・躁病・統合失調症などの精神疾患に対して古くから行われてきました。近年は重症うつ病・難治性うつ病・緊張病状態などに対して特に有効であることが明らかになっており、欧米諸国・日本で広く実施されています。
現在では、麻酔下で治療による苦痛をのぞき、また、筋弛緩作用のある薬を使用してけいれんに伴う副作用を予防しながら行う「修正型電気けいれん療法(mECT)」が一般的であり、当院におきましても「修正型電気けいれん療法」を行っています。

mECTの適応

  • 重症うつ病
  • 難治性うつ病
  • 統合失調症緊張病状態

特にうつ病に対して最も効果があるといわれており、抗うつ薬で治療がうまくいかなかった場合でもECTは有効であるといわれています。

安全性について

mECTの死亡例は低く、8~10万治療回数に1回とされています。これは、通常手術の全身麻酔の危険率や抗うつ薬服用中の死亡率より低いとされています。事前の検査、診察を行い、安全には最大限の配慮を行っています。
一般的な副作用として、頭痛、発熱、治療後覚醒するときにもうろう状態となることがありますが、通常は一時的です。

治療の流れ

  • 主治医からの説明

    治療についての説明を行い、同意書へご署名をお願いします。

  • 検査

    血液検査・心電図・頭部CTなど必要な事前検査を行います。
    治療前は絶飲食となります。

  • 施術

    点滴を行い治療室へ入ります。
    麻酔薬と筋弛緩剤を投与し眠っていただき、全身麻酔の状態で頭皮上より数秒間の通電を行います。

  • 施術後

    麻酔から覚めた後、しばらく安静にしていただき、状態を確認します。
    通常、治療は開始から終了までおよそ30分程度です。

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認知症とは

認知症は、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態をいいます。
認知症にはいくつかの種類があります。アルツハイマー型認知症は、認知症の中で最も多く、脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程でおきる認知症です。症状はもの忘れで発症することが多く、ゆっくりと進行します。
次いで多いのが脳梗塞や脳出血などの脳血管障害による血管性認知症です。障害された脳の部位によって症状が異なるため、一部の認知機能は保たれている「まだら認知症」が特徴です。症状はゆっくり進行することもあれば、階段状に急速に進む場合もあります。また、血管性認知症にアルツハイマー型認知症が合併している患者さんも多くみられます。
その他に、現実には見えないものが見える幻視や、手足が震えたり歩幅が小刻みになって転びやすくなる症状(パーキンソン症状)があらわれるレビー小体型認知症、スムーズに言葉が出てこない・言い間違いが多い、感情の抑制がきかなくなる、社会のルールを守れなくなるといった症状があらわれる前頭側頭型認知症といったものがあります。

当院の専門医療

認知症疾患医療センター

当院の認知症疾患医療センターでは認知症に関する専門医療相談や鑑別診断(検査・専門医の診察)を実施しています。他の福祉機関や病院と連携しながら認知症に対する治療のお手伝いをしています。

認知症疾患医療センター

受診希望の方へ

治療を受けたい、詳しい説明を受けたいとお考えの方は、 お電話にてお問い合わせください。

電話番号 0120--977-341(認知症疾患医療センター専用フリーダイヤル)
相談受付 9:30~16:30 (休診日は除く)

シニアデイケア

当院のシニアデイケアでは認知症疾患に対応したプログラムを実施しています。医療保険適応のサービスで、デイケア参加時に主治医の診察、薬の処方を受けることができます。必要時は生活環境調整や薬物調整を目的とした、当院への入院治療も可能で、認知症疾患に対して適切な精神科医療を提供しています。

シニアデイケア

認知症治療病棟

認知症疾患治療病棟は認知症による周辺症状のために、自宅あるいは施設で生活することが難しい高齢者に対して、短期集中的に精神科治療とケアを行うための病棟です。出来るだけ早期の退院を目指しています。

認知症治療病棟