医療コラム

ストレスと上手に付き合おう ~毎日を「ほんの少し楽に」過ごせる方法

みなさんは「ストレス」と聞いて何を思い浮かべますか?

「最近ちょっと疲れたなあ~。仕事のストレスかな~」と感じる方もいるかもしれません。「ストレス?自分には関係ないや」と思う方もいるかもしれませんね。

現代人は多くのストレスに直面していると言われますが、それに対する反応として、「なんとなく疲れやすい」「元気が出ない」「お酒の量が増える」などのストレス反応が起こります。これらは誰にでも起こる自然の反応ですが、そのままにしておくと体調が悪化して仕事の能率が下がったり、人間関係のトラブルにつながることもあります。

今回は「ストレスとは何か」「上手に付き合うためにはどうすればよいか」について、ご紹介します。

ストレスってそもそも何だろう?

ストレスは、様々な原因によって「こころ」や「からだ」に負担がかかっている状態の事を言います。例えば・・・

  • 生活の中でのストレス:職場や家庭で人間関係がうまくいかないなど
  • 環境変化のストレス:進学、クラス替え、就職、転職、引っ越しなど
  • 突発的な出来事のストレス:自然災害、交通事故、怖い思いをする出来事など
  • その他のストレス:自分や家族の病気、仕事を任されるプレッシャーなど

 

同じ原因のストレスでも、それを負担に感じる人と感じにくい人がいることに注意が必要です。また本来は楽しいこと、嬉しいことでも実はストレスになることがあります(好きなバンドのライブ→ドキドキして眠れないなど)。ストレスの受け方はその時のこころの余裕や状況にも左右されます。

ストレスと上手に付き合うための方法

■ストレスに気づく
自分がどんなストレスに直面しているか、以下のサインを参考にして、自分の不調やストレス反応に気づけるようにしましょう。

  • こころのサイン:
    なんだか不安になる、イライラする、ソワソワする
    気分が落ち込む、やる気が出ないなど
  • からだのサイン:
    肩こりなどの身体の痛みや違和感、めまい、息苦しさ
    ぐっすり眠れない、腹痛や下痢など
  • 行動面のサイン:
    仕事で普段しないミスが増える、仕事を抱え込む
    あまり食べたくない、いつもよりお酒が増えるなど

 

■不調をやわらげる
ストレスによって生じている「こころ」や「からだ」の反応を和らげましょう。無理のない範囲で、継続して行うことが大切です。

  • 軽い運動や散歩:
    重くなった「あたま」「こころ」が軽くなります
  • ゆっくり呼吸する:
    気持ちが落ち着き、考えすぎから離れることが出来ます
  • 生活リズムを整える:
    「しっかり睡眠をとる」「規則正しく食事をとる」「朝起きて日光を浴びる」これだけでもかなり気持ちが楽になります
  • 身体をいたわる:
    「いつもより少し長くお風呂につかる」「マッサージをする」など身体の緊張をほぐすことで、こころがほっとします

 

■ストレスに対処する方法を実践する
ストレスとなっている要因を軽くするために、自分に出来ることを検討しましょう。いきなり「全て解決しよう」と思わなくても大丈夫です。小さくても「自分は問題に取り組めている」という感覚を持てることがコツです。

  • 問題を整理する:
    何がストレスの原因になっているのか1つ1つ検討してみます。これだけでも「頭のモヤモヤ」が晴れることがあります
  • 対策を考える:
    どんな方法で対処できるのか、実現できるかどうかはいったん脇において、とりあえずたくさんアイデアを出してみましょう
  • 出来そうなことから実践する:
    失敗しても大丈夫です。「これは実験だ」と考えて、うまく行かなかったら別の方法を試すようにしましょう
  • サポートを受ける:
    ストレスを抱えることは恥ずかしいことではありません。家族や友人など身近な人の助けを借りることも、大切な方法のひとつです

 

最後に

ストレスを完全にゼロにすることは出来ませんが、ストレスと上手に付き合う方法を学んで実践することはどなたでも出来ます。ご自分にあった方法を見つけて、少しずつ取り組んでみましょう。毎日が「少しだけ楽になった」と感じられるかもしれません。

ストレスにうまく対処できなくても「自分が弱いから」「自分の能力不足」と、自分を責める必要はまったくありません。またストレスを一人で抱える必要もまったくありません。

一人で乗り越えられずにどうしてもつらい場合には、迷わず専門家に相談しましょう。ストレスをやわらげ、上手に付き合う方法について一緒に考え、「ほんの少し楽に」なる毎日をサポートさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

八尾こころのホスピタル 心理室

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